弦の種類について

弦といっても、エレキ・アコギ・ベース、それぞれに専用の弦があります。
今回はアコギ弦とエレキ弦について紹介していきます。

それぞれに材質の異なる弦が数種類あり、材質によってサウンドや弾きやすさに影響してきます。
ブランドも多く種類も豊富ですが、ある程度知っておくと購入する時も悩まずに購入できるかと思います。

それぞれの弦の仕様

弦はプレーン弦(芯線)と芯線の上に弦を巻いたワウンド弦(巻弦)で構成されています。

楽器タイププレーン弦ワウンド弦
アコースティックギター弦1・2弦3~4弦
クラシックギター弦1~3弦4~6弦
エレクトリックギター弦1~3弦4~6弦
ベース弦1~4弦

プレーン弦にはピアノ線などに用いられる炭素鋼線にメッキ加工を施しており、アコギもエレキも同様の弦が使用されています

プレーン弦にはアコギ用やエレキ用というのは無くどちらも併用できます。

材質の種類

弦の中にも、いくつかの材質があります。
その材質によって音質や質感が異なるので、いろいろ試してみるのもいいと思います。

何から買っていいのかわからないという方も、事前に特徴を知っておくと選びやすくなると思います。

アコースティックギター弦

アコギ弦では大まかにブロンズ弦とフォスファーブロンズ弦の2種類の材質があります。
ブロンズかフォスファーブロンズかは、パッケージに必ず記載されています。

ブロンズ弦 / 80/20 Bronze

ブロンズ(青銅)を素材とした弦で、銅を主成分にスズを含んだ合金になります。

名称の【80/20】とは、銅とスズの割り合いになり、銅が80%スズが20%という割り合いになっています。

色味は黄色味がかった色合いになっています。
ブランドによって若干色味が異なりますが、基本的には同様の色合いになっています。

音質に関しては…
太く丸みのあるサウンドで、煌びやかというよりも落ち着いたサウンドになります。
フラットなサウンドになるので、弦で味付けはしたくないという方にもオススメです。

価格も比較的安価で、アコギの初心者セットなどに張られている弦はこちらが多いです。

フォスファーブロンズ弦 / Phosphor Bronze

ブロンズ合金の中に少量のリンが含まれた材質になります。
ブロンズ80/20弦に比べ、若干耐久性にも優れているとも言われています。

リンを含んでいることで、色味も赤味がかった色合いになっています。

音質に関しては…
煌びやかで「シャリーン」という明るいサウンドが特徴です。
ブロンズ弦と比較すると、その明るさが一際目立ちます。

シルク&スチール / Silk&Steel

アコギでは上記で紹介したブロンズとフォスファーブロンズが一般的ですが、もう一つ初心者の方にオススメな物がシルク&スチールになります。

スチール製の芯線をシルクで包み、その上から銀メッキを施した銅の巻き弦を採用していることが一般的です。

音質に関しては…
ウォームで非常に柔らかなサウンドが特徴です。
キラキラしたサウンドが好みではないという方にオススメなサウンドになります。

弦の張力が緩いため、フィンガーピッカーの方や初心者の方にオススメです。

音質よりも”弾きやすさ”という点で選ばれる方も多いタイプになります。
「弦のテンションが緩くて弾きやすい物が欲しい」というお客様によくオススメしていました。

エレキギター弦

エレキギター弦もアコギ弦同様、数種類の素材があります。
こちらも素材によって、音質はもちろん弾きやすさにも影響してきます。

ニッケル / Nickel

エレキ弦の中では昔から定番となっているのがニッケルです。
初心者の方は、ニッケルを選んでおけば間違いないです。

新品のギターで工場出荷時に張られているのもニッケルになります。

音質はフラットな落ち着きのあるサウンドになります。
柔らかな金属で加工がしやすい特性があります。
磁性体が強いためエレキギターピックアップとの相性が良いのも特徴です。

ステンレス / Stainless

ステンレスは鋼鉄とクロームの合金からなる材質で、ニッケルに比べ硬く耐久性もあり、サビに強い特性があります。

音質は固くエッジの効いたシャープでブライトなサウンドが特徴です。
磁力も強いので、サスティーンの向上や歪み系のサウンドとも相性が良いです。

ニッケルと比較すると少々高価になります。

弦の種類…ラウンドワウンド・フラットワウンド

ラウンドワウンドとフラットワンドは巻弦の巻き方の違いになります。
特にベース弦で耳にすることが多いです。

ラウンドワウンド / Round Wound

たいていの弦がこちらのタイプになりますが、芯線に丸い巻き線を巻き付けてあるタイプになります。

表面は凹凸があり、ザラザラした手触りになります。

どんなジャンルにもマッチし、倍音成分を多く含んだ厚みのあるサウンドになります。

フラットワウンド / Flat Wound

芯線に巻き線を巻いているという構造はラウンドワウンドと同様になりますが、巻き線自体の形状が異なり平たい形状の巻き線が使用されているため、ツルツルした手触りになります。

音質は丸みと温かみがあり、ラウンドワウンドと比較すると若干コモッたサウンドになります。
サスティーンや倍音成分が少なくフラットワウンドでしか出せない独特なサウンドになります。

弦がツルツルしていることで指をスライドした時の「キュッ」という音が無くなります。
逆にピックスクラッチなどが出来ないので、ロック系には不向きなサウンドになることがあります。

ベースで使用することが多いフラットワウンドですが、独特なコモッたサウンドはジャズギターとの相性が良く好んで使用する方も多いです。

コーティング弦

名前の通り、弦をコーティングした弦があります。
コーティングすることで、錆びや腐食を抑え弦の寿命が倍以上長持ちします。

手汗でサビやすい方や、湿度が高い部屋に置いている方は非常にオススメできる弦になります。
…湿度が高い部屋に置いておくと、通常の弦では自然に錆びていきます。

但し、通常の弦と比較すると少々高価になります。

通常の弦の価格と比較すると倍ほどしますが、寿命も倍ぐらい長持ちするので総合的に変わらないです。

主にアコギのブロンズ弦・フォスファーブロンズ弦、エレキのニッケル弦でコーティング弦が販売されており、コーティングの仕方もブランドによって様々です。

弦の太さ (ゲージ)

アコギ弦・エレキ弦、それぞれに数種類の弦の太さがあります。
弦の太さのことを“ゲージ”と呼びます。

下記にそれぞれの弦の太さと名称を記載していますが、あくまでも参考程度にしていただけたらと思います
なぜかというと…ブランドによって名称が変わったり、ゲージも微妙に変わってきます。

アコギもエレキも3種類のゲージが一般的で、この3パターンが一般的な太さになります。
初心者の方は、指に掛かる負担を考慮して一番細いゲージがオススメです。

太い弦を選ぶと弦の張力が上がりアタック感が強くなりますが、指への負担がきつくなるので慣れるまでは細い弦で練習をすることをオススメします。

アコギギター弦の太さの種類

Type1弦 / 1st2弦 / 2nd3弦 / 3rd4弦 / 4th5弦 / 5th6弦 / 6th
Extra Light.010.014.023.030.039.047
Custom Light .011.015.022.032.042.052
Light.012.016.024.032.042.053

エレキギター弦の太さの種類

Type1弦 / 1st2弦 / 2nd3弦 / 3rd4弦 / 4th5弦 / 5th6弦 / 6th
Super Light.009.011.016.024.032.042
SuperLight / Regular.009.011.016.026.036.046
Regular Light.010.013.017.026.036.046

まとめ

今回は弦の種類についてご紹介してきましたが、大まかな違いはわかったでしょうか。

ブランドも多数あり、その中でも種類が豊富なので選ぶ時に悩みますが、弦は消耗品なので都度色々試してみるといいと思います。

それぞれに定番の弦もあるので、今後ご紹介していきたいと思います。