前回はアコースティックギターの種類についてご紹介していきましたが、今回はエレキギターの種類について、初心者の方向けにご紹介していきます。
細かく分類するとアコギも豊富ですが、エレキはさらに種類が豊富になります。
その中から、今回は王道モデル3タイプについてご紹介していきます。
初心者の方は『万能なストラト・シンプルなテレキャス・ロック向きなレスポール』といった3機種の中から選ぶのがオススメです。
この3機種では、初心者セットというセット販売がされているモデルなので、まずはお手頃なギターから始めたいという方にもオススメです。
まずはそれぞれの違いについて知っておくと選びやすくなります。
エレキギターの種類・モデルによって何が違うのか?
大まかに何が違うのか?というと…
【ボディ形状の違い】と”ピックアップ”と呼ばれる音を拾う【マイクの違い】になります。
細かく比較していくと多数ありますが、初めはこの2点を重視していただくだけでも十分だと思います。
エレキギターは搭載されているピックアップによって大きくサウンドが異なります。
もちろん生のサウンドも変わりますが、基本的にはアンプに繋いだサウンドで選んだ方がいいです。
ピックアップには得意不得意があり、ジャンルに合わせた選び方というのも大事ですが、それが自分の好きなサウンドかというところも重要です!
ストラトキャスター/ Stratocaster
通称”ストラト”といって初心者セットなどで販売されているモデルの中でも圧倒的に販売数が多いモデルになります。
初心者にも持ちやすく、ボディ形状・弾きやすさ・サウンドバランスなどから王道かつ万能なモデルとなります。
迷ったらコレ!と言っていいほど初心者セットでは1番売れているモデルになります。
ボディスタイル
非常にバランスのとれたボディ形状になっており、立っても座っても弾きやすいモデルになります。
体とボディが接する部分には角が無く、肘の当たる部分には”コンター加工”と呼ばれる丸みがあることで構えた時の痛みなどもありません。
ネックとボディの接合付近を見ていただくと、左右非対称の”カッタウェイ”と呼ばれるカットされた部分があり、ハイポジションも弾きやすくなっているのが特徴です。
サウンド
ストラトは、3つのシングルタイプのピックアップが搭載されています。
中音域に特徴のあるストラトサウンドは、カッティングでは「ジャキッ」と非常に気持ちの良い高音が鳴り、フロントピックアップでは太さのあるまろやかなサウンドが出せます。
この後紹介する2機種と比較しても、ちょうど中間にあたるということもあり、様々なジャンルに対応するので、ジャンルに悩んでいる場合は汎用性があるストラトを選んでおくのがオススメです。
ストラトには”シンクロナイズド・トレモロ・ユニット”というビブラートユニットが搭載されています。
アームと呼ばれる棒を上げたり下げたりすることで弦の張力を変え、音程を変化させます。
テレキャスター / Telecaster
こちらもストラト同様、Fender社が発売したモデルになります。
ストラトよりもシンプルなモデルになります。
ボディスタイル
ストラトのダブルカッタウェイとは違い、シングルカッタウェイでハイポジションが少々弾きづらい…というのも特徴です。
ソロなどでハイポジションを多用する方には扱いにくく感じるかもしれませんが、コード弾きでジャカジャカ弾きたい方には問題ありません。
ストラトは肘の部分がカットされたコンター加工が施されていますが、テレキャスターはコンター加工はなく、ボディもフラットな形状が特徴です。
サウンド
2基のシングルピックアップを搭載しており、ストラトよりも高音域に特徴のあるサウンドとなります。
ストラト同様にシングルピックアップではあるものの、テレキャスターは硬く歯切れの良い明るいサウンドになります。
リアピックアップでのカッティングでは、非常に気持ちの良い「ジャキジャキ」したサウンド。
そして、クリーントーンでのフロントピックアップの太く非常にまろやかなサウンドはテレキャスならではのサウンドといえます。
シングルピックアップでもストラトとは大きく異なるサウンドが特徴で、ヌケの良い高音はテレキャスにしか出せないサウンドです。
レスポール / Les Paul
こちらのモデルもエレキと言えば!というほど王道のモデルになります。
ロックといえばレスポール!というイメージの方も多いのではないでしょうか。
ボディスタイル
ひょうたんのようなこの形状が特徴で、ストラトやテレキャスと比較すると重量が重くなります。
近年では、ボディ内部をくり抜き軽量化を図っているモデルも増えていますが、元々はかなり重さがあり長時間の演奏では疲れてしまう…という方もいました。
…ですが、『この重さが重要なんだ!』と言われています。
販売スタッフの時は、このギターの重さは何kgですか?とよく聞かれていました。
正直…初心者の方は気にしなくていいと思います。
テレキャス同様にシングルカッタウェイのレスポールですが、左側にカッタウェイが全く無いことや、ネックジョイントの関係からテレキャスよりもハイポジションは弾きづらく感じてしまいます。
そんなレスポールですが、ギターソロなどではハイポジションで速弾きをしているアーティストも多いことも事実です。
…慣れてしまえば大丈夫!ということです。
レスポールはストラトなどと比較するとスケールが短くなっています。
ストラトはロングスケールですが、レスポールはミディアムスケールを採用しているため、手が小さいという方も抑えやすくなります。
但し、ネックの形状が少々太く丸みが強いタイプが多いので、このあたりは実際に触って確認してもらえるといいと思います。
楽器屋で購入する際は、ぜひ店頭で確認してみてくださいね。
サウンド
ストラトが中音域、テレキャスターは高音域と部類すると、レスポールは低音域といったサウンドになります。
上記の『弾きやすさ』からいくと、レスポールって微妙ではないのか…?と思われますが、レスポールにはレスポールにしか出せないサウンドがあります。
ストラトとテレキャスターではシングルピックアップが搭載されていましたが、レスポールでは2基の“ハムバッカー”と呼ばれるピックアップが搭載されています。
ハムバッカーは、シングルピックアップよりも太く迫力のあるサウンドが特徴です。
ストラトよりも低音寄りのサウンドで、なんといっても歪ませた時の相性は抜群です!
ガッツリ歪ませたロックなサウンドを求めているという方には非常にオススメです。
そして、このハムバッカーは、歪ませた時のノイズが少ないというメリットもあります。
歪ませたサウンドにすると、どうしても「ジ~」といったノイズが出てきます。
このノイズ音が結構気になるんです…。
ハムバッカーであれば、シングルピックアップよりも大幅に軽減することができます。
呼称について
余談となりますが…
ストラトキャスターやテレキャスターは、Fender社が販売しているモデル名になります。
正式には、この”ストラトキャスター”や”テレキャスター”という名称は、他のブランドで使用することができません。
ですが、現在では多数のブランがこういったボディシェイプのモデルを販売しており、これらののディシェイプを総称して、ストラトタイプやテレキャスタータイプと呼ばれています。
レスポールも同様にGinson社が販売しているモデルになり、Gibson傘下のブランドだけが名乗れるモデル名なります。
正直…業界でもブランドは関係無く、形状だけで”ストラト”や”レスポール”などと呼んでいました。
特に気にすることではないですが、一応頭の片隅に入れておくといいと思います。
【まとめ】それぞれの特徴を知って好きなモデルを選ぼう
・ストラトキャスター…構えやすくローポジションからハイポジションまで弾きやすい、中音域に特徴のある万能なモデル
・テレキャスター…シンプルなモデルで扱いやすく高音域に特徴のあるモデル
・レスポール…重量がありハイポジションも弾きにくいが、歪みのサウンドと相性が良く、低音に特徴があるロック向きなモデル
大まかな違いはわかったでしょうか。
今回は初めてのギター選びということで細かな点は割愛させていただきました。
細かな点を追求していくと、逆に悩んでしまうと思うので、ボディスタイルとサウンド面に特化してご説明させていただきました。
一番重要視していただきたいのは「見た目やサウンドが好きなギターを選ぶ」ということなので、細かな仕様は二の次で大丈夫です。
近くに楽器屋がある方は、ぜひ実際に店頭で見て触って選んでみてください。
実際に見てサウンドを聞いてみることで、絞りやすくなると思います。