
アコースティックギターの鳴りを良くしたい!と思った時に、エレキギターのようにエフェクターやアンプで容易に変化させることは難しく、あくまでもアコギ自体の造りでほぼサウンドが決まってしまいます。
その中でも、容易に変更できるのが【弦】もしくは【サドル】になります。
弦は頻繁に交換するもので変化もわかりやすいので、ぜひすぐにでも試していただきたいところですが、今回はもう一つの【サドル】についてご紹介していきます。
サドルと同様の素材でナットもありますが、サドルは取り外しが簡単です。
ナットはネック部分に接着されており、交換するナットも元々付いていたナットと同様の弦の溝成形をしなければならない為、難易度が高くなります。
サドルの取り外し
サドルは弦を外せば簡単に取り外すことが出来ます。
基本的には接着などはされていないので、弦を全て外しサドルを引っ張れば外れます。
稀にサドルとブリッジの密着が良く、なかなか外れない場合がありますが、ペンチなどで引っ張ってあげれば簡単に外せます。
…この時クロスなどを使用してサドルに傷がつかないようにしてください。
サドルの選び方
サウンドに変化を付けたい場合は、元々付いているサドルと同形状の物を選びましょう。
まずは、今付いているサドルを外してサイズを確認してください。
【長さ・高さ・幅】のサイズを測り、形状も似たような物を探します。
ですが、正直…まったく同じ形を手に入れるのは難しい場合が多いです。
Martin用やGibson用などブランドごとに分かれて販売されていますが、同ブランドでもモデルによって微妙にサイズが異なります。
サドルの加工の仕方

同サイズのサドルが見つからない場合は、近しいサイズ且つ少し大きめのサイズを選びます。
そこから”やすり”を使用して削っていきます。
やすりは100円ショップなどで販売している紙やすりで十分削ることができます。
・横幅を整える場合は片面だけを削るのではなく、両面を同じ幅だけ削っていきます。
・高さを調整する場合は弦が乗る上部ではなく、必ず底面を削っていきます。
・Rの形状が異なる場合は、外したサドルに合わせて削っていきます。
サドルの横幅と底面を削る場合は、必ず平行に削りましょう。
少し削ったら都度スケール当てて隙間が無いか確認します。
サドルを削る場合は幅が重要!
弦高を調整する場合はもちろん高さが重要になりますが、音の響きを良くする為にはサドルをどれだけブリッジに密着させるかが重要です。
サドルがブリッジに密着している面積が大きいほど、弦の響きもボディに伝わりやすくなります。
密着性の良いジャストフィットな状態にするのがオススメです。
サドルの種類

サドルの素材にはいくつかの種類があります。
素材によってそれぞれ音質の特徴があり、価格も様々です。
プラスティック

プラスティックは比較的安価なモデルに採用されている素材で、パーツ代も¥500前後と手に入れやすい価格になります。
軽量な素材の為、音質も明るく歯切れのいいサウンドが特徴となります。
シャキッとしたサウンドが特徴なので低音域はやや劣りますが、コードストロークでの軽くジャキジャキした鳴りは明るいサウンドが好みの方にオススメです。
加工もしやすく、比較的簡単に削ることが出来ます。
一方柔らかい素材なので、衝撃に弱く割れやすいので注意が必要です。

どの素材よりも安いというのは魅力的で、万が一加工に失敗してもお財布に優しいので、心置きなく加工が出来ます。
加工が初めてという方は、まずプラスティックを選ぶと良いと思います。
牛骨

古くから採用されている素材が牛骨になります。
中価格帯~高価格帯のモデルまで幅広く採用されている素材になります。
牛骨の中にも漂白され見た目が美しく加工されている物や、オイル漬けをすることで牛骨の密度を高めた物などバリエーションも豊富になります。
サウンドは非常にまとまりがあり、プラスティックでは軽減されていた低音域の伸びがあるサウンドとなっています。
太くマイルドなサウンドが好みの方にオススメな素材になります。
プラスティックと比較すると硬く、加工には少々苦労しますが問題無く紙やすりで削ることができます。
象牙

サドルの中で最も高価な素材が象牙になります。
ヌケの良い高音域や輪郭のある低音域は、象牙ならではの魅力的なサウンドとなっています。
さすが高級品といった、アコギに最適と言われている素材になります。
但し、ワシントン条約により輸入が禁止された為、近年では国内にある象牙しか流出が許されていない、希少な素材となっています。
また「種の保存法」により、扱うには届け出が必要な為、認められた事業者のみが扱えるという非常に貴重な素材になります。
もちろんお値段も非常に高く【¥10,000前後】という初心者にはオススメできませんが、一度は試してみる価値がある素材です。
TUSQ (タスク)

上記の象牙の特徴を踏襲し人工で造り上げた象牙がTUSQ(人口象牙)になります。
象牙よりも一弦一弦の分離感が優れており、ベースラインを入れながらメロディーラインを弾くソロギターなどにもオススメの素材になります。
人工なので個体差も少なく、象牙よりも硬度が低いので加工のしやすさも特徴です。
チューニングの安定性にも優れているので非常にコスパの高い素材になります。
サイズの種類も豊富なので、近しいサイズを見つけやすいと思います。
まとめ
今回はサドルの交換・種類をご紹介してきましたが、交換する用途に応じて素材を選んでみてください。
ですが、まずは素材よりもサイズが大事という事を念頭に置いて交換をしてください。
高価な象牙を選んだとしても、サイズが合っておらずブリッジとサドルがスカスカな状態では、全く素材の良さを活かせないので、まずは加工のしやすさという点でも初心者の方はプラスティックがオススメです。
同じプラスティック素材でも隙間があるのと無いのとでは、響き方に差が出ます。
小さなパーツですが、奥が深いパーツでもあるので、ぜひ色々試してみてください。